中秋節、それは香港月餅食べ比べの季節！
中秋節快樂～!!
9月27日は2015年の中秋節。つまり本日が旧暦の8月15日(十五夜)が中秋節にあたります。
日本の十五夜、十三夜と同じく月を愛で、家族円満を祈り、そして秋の豊作を祝うというのが中華圏でも同じような行事としてあるのがこの中秋節。
家族や友人みんなで集まって食事をし、美しいランタンを眺めたり、食事の後には湯圓（※日本でいうところの白玉団子に当たるもの）を頂いたり、と楽しむ夜なのです。
……が。
ある意味、最大且つ最重要アイテムと化しているのが月餅。中華菓子で有名なので御存知ですよね。
いつの頃から月餅を友人知人に配布する行事と化しているのか、もはや不明なのですが、毎年この時期には海の向こうの香港や台灣に住む友人らが「月餅をまた貰った」「月餅、もう食べきれない」「月餅飽きた」「月餅太り」とSNSを通して言っているのが恒例となっております。
更には大抵毎年、月餅のカロリーがどれだけあるのか書かれてた記事が現地新聞に載るのも恒例。
海の向こうの月餅祭りに参加したくでも出来ないのですが、毎年、香港より月餅の運び屋が私の元に月餅各種を運んできてくれまして、月餅を吟味する会を開いているのでした。
そんな月餅の数々を御紹介。
因みにただ今、月餅が運ばれている真っ最中の為、今年の月餅の御紹介は出来ませんのであしからず。
まず初めに。
中秋節の月餅と云ったら、何を差し置いても塩卵の黄身が入った月餅無しでは語れません。
こちらの『美心月餅』の雙黃白蓮蓉月餅（塩卵の黄身2個入り蓮の実あん月餅）が伝統的な月餅の代表格。
塩卵の黄身がお月様を表しているのです。
塩卵といっても塩っぱい！というよりも、ほんのり塩気を感じる程度で、鶏卵よりも脂の乗って滑らかさのあるアヒルの卵と蓮の実餡の組み合わせが絶妙なのです。
いや、確かに大昔、中華街で買って食べた塩卵入りのは脂が浮いていてやたらと塩っぱかったですけど……。今時のは違いますので御安心を。
それにしても月を表しているのに何故に黄身がふたつなのか？
以前はひとつだったという話なのですが、現在ではミニサイズの月餅でしか見掛けることは少なくなった気がします。
と言うのも、大きな月餅を家族皆で切り分けて食べる為、黄身がひとつだと確実にハズレを引く人が出てしまい、喧嘩になってしまうからです！
それをネタのひとつにしたのが今年、日本でも公開された大傑作の香港ＭＭＡ映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』（但し舞台はマカオ）。
劇中で社會工作局（マカオの公共ボランティア機構）から貰った月餅を3人で切り分ける印象的なシーンがあるのですが、大量発注したボランティア月餅ゆえに微妙にケチられた為か、サイズの大きな月餅だというのに黄身がひとつしか入っておらず揉めるという印象的なシーンがあるので、それを踏まえて観ると更に微笑ましいのでした。
昨年の私は私の大好きな香港の美味しい調味料屋『八珍醬園』の月餅を攻めてみたので、その御紹介。
順に紹介していきますが、昨年から『八珍醬園』は「乾果系列」というドライフルーツシリーズを作り始めております。
ひとつめは金莎奶黃月餅（カスタード月餅）。
塩卵がカスタード餡の中に刻んで入っており、ココナッツミルクの香りも良かった月餅。
ふたつめは㰖仁豆沙月餅（ウォールナッツとこし餡月餅）。
こし餡がベースになっている為、安定のベーシックな味を楽しめる月餅。
とはいえ、日本の小豆あんとは別物で、とても良い香りがしたのが印象的。
材料を見ると檸檬（！）とピーナッツオイルが入っていたので、それがポイントなのかも。
月餅の餡は日本のあんこと違って脂（この場合はピーナッツオイル）を使っているので、滑らかで風味が良くなる分、そこでカロリー問題が出てくるわけなのですよ……。
３つめは柚子紅莓月餅（柚子クランベリー月餅）。
これが悶絶の美味しさでして。柚子とクランベリーがこんなに合うとは……！という逸品。
瞬時に「この月餅を更にオン・ザ・リッツしたい！」と思ってしまった程の、ねっちりとしたジャム具合。
餡ではなくて最早ジャムだったのです。
素晴らしく爽やか餡。カシューナッツや白ゴマも入っておりましたよ。
４つめは藍莓五仁月餅（ブルーベリーと木の実あん月餅）。
定番の五仁月餅にブルーベリーを入れるだけで、こんなにも高級でとても美味しいクリスピーなシリアルみたいな味になるのか！といった月餅。
やはりドライフルーツは最強。
ここ最近、やたらと流行って各メーカーがこぞって販売しているフルーグラノーラ如きで騒いでいてはいけないのです。
グラノーラ袋を握って潰して月餅の中に詰めてもこの美味しさには到底到達しないので、香港の皆もグラノーラを買い漁るよりも身近な美味しい物に回帰しようぜ！（いや、美味しいけど！私も好きだけど！）
……と思っていた所、現地の友人からの報告によると、この藍莓五仁月餅のバラ売りだけ見事に完売していたとか。
去年食べた人にとってはマスト・バイ月餅だったということか！
もちろん私だって今年も注文致しましたよ。
因みにこの月餅に使われているブルーベリーは有機栽培された物なんだとか。
俺らの八珍、やはりいい仕事をしているよ！
香港で美味しくて買いに行きやすいオイスターソースも『八珍醬園』の物を個人的にはオススメしたいです。
本当は香港ならではの新しい特殊月餅の紹介もしたかったのですが、中秋節が終わってしまうので今回はお預けという事で。
次回、気の狂った量の月餅食べ比べを御紹介致します。
